設備・医療機器について
設備・医療機器について診療の内容とあわせて当院の設備紹介をいたします。
皮膚科治療では、長らく塗り薬(外用薬)による治療が中心となっておりましたが、近年では治療の標準化が行われ、外用剤や内服薬、光線療法(紫外線療法)、バイオ製剤による点滴・注射治療などを病状に応じて組み合わせるようになってきました。
当院では、その最新のガイドラインに合わせるために、紫外線治療器も設備しております。
紫外線療法(光線療法)
紫外線療法
光線(紫外線)療法は、紫外線の「免疫の働きを弱める作用」を利用した治療方法です。皮膚の病気の部分に紫外線をあてることで皮膚の炎症を抑えて皮膚の状態を改善させます。わかりやすく説明すると「紫外線を出すランプを皮膚に当てる治療」です。治療時に痛みや刺激などは全くありません。
紫外線は大きく分類するとその波長により、UVA(長波長紫外線、315~400nm)、UVB(中波長紫外線、280~315nm)、UVC(短波長紫外線、100~280nm)と分けることができます。皮膚の症状を改善させる作用をもち、皮膚に悪い影響を与えにくい紫外線として医療に用いられる紫外線は、UVA(長波長紫外線)、UVB(中波長紫外線)です。
現在、最近の紫外線療法の主流は311±2nmの紫外線光源を用いる、ナローバンドUVBといわれる治療です。さらに紫外線治療器に特殊なフィルターをつけて副作用を少なくさせたエキシマライトという紫外線治療器も多く使われています。
当院の紫外線治療器
全身型(キャビン型)紫外線照射装置
キャンデラ社 ダブリン3シリーズ(Daavlin 3 Series)
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エキシマライト(ターゲット型ナローバンド)
ウシオ電機社 セラビームUV308mini
基本的には、全身の病変の患者さんには全身型、病変が体の一部の患者さんにはエキシマライト。
全身型治療器の場合、全身の1回分の治療がおおよそ4分〜5分です。
エキシマライトは4cm×4cmの治療範囲に100mJ照射する場合。数秒ですみますので、1回分で1-2分もかからないと思います。
ナローバンドUVB治療は多くの皮膚科クリニックで採用されつつありますが、多くは半身タイプや部分照射タイプです。中には半身タイプを全身型と謳っているクリニックがありますが…、ランプが体を覆うことができなければ、結局1回の治療で何度も照射しなければならず、患者さんの治療のクオリティは下がります。
全身型の言葉通りの、「一度に全身にまんべんなく治療できる」という意味ではキャンデラ社のダブリン3シリーズとヤヨイ社※のキャビン型紫外線治療器UV7002、UV5002が全身型紫外線治療器に該当します。
エキシマライトも照射範囲(治療範囲)という意味では部分照射タイプにカテゴリーされます。
※ヤヨイ社はキャビン型紫外線治療器の販売を現在中止しております。
ナローバンドを希望されるような患者さんの要望は下記のように2極化しています。
- ① 比較的全身に病変(湿疹)があり、できれば「一度に短い治療時間で、全身にまんべんなく紫外線をあてたい」という方(主にアトピー性皮膚炎、乾癬、白斑の患者さん)
- ② 「治りにくい部分に“だけ”紫外線療法を治療したい」という方(主に円形脱毛症、掌蹠膿疱症の患者さん)
ウロマスター
干渉低周波という、2種類の低周波を体内で交差させることによって筋肉の収縮運動をうながして治療を行う電気刺激装置です。尿漏れや頻尿の治療に対して国内で唯一保険適応による治療が認められている医療機器です。
下腹部と臀部に専用の粘着パットを貼り治療を行います。通電の際、若干のピリピリ感はありますが副作用もなく安全性の高い治療器具です。治療時間は20分ほどです。
骨盤底筋運動(膀胱排尿筋・骨盤底筋への運動)と同じ効果を得ることができます。継続することが必要で、週1-2回程度の継続を推奨しております。
炭酸ガスレーザー機器
CO2レーザーは遠赤外線領域にある波長10.6μmを中心とする気体レーザーです。
皮膚組織中に含まれる水分に吸収され、病変部皮膚組織を限局的に蒸散させほくろやいぼを除去します。治療の際は局所麻酔を行うため痛みや出血もほとんどありません。
CO2レーザーは水分に吸収されやすく、一瞬にして熱エネルギーに転換されるという性質があります。
患部に照射すると、その細胞に含まれる水分がレーザーのエネルギーを吸収し、蒸散作用を起こして瞬間的に患部の組織を除去します。このとき、周辺の血管は熱凝固作用で一瞬のうちに固まってしまいますので、出血はほとんどありません。
また、炭酸ガスレーザーの蒸散作用は皮膚の表面に限られ、深部組織や周辺の正常な皮膚にダメージを与えないため、深いところまで至らないので、メスで切除した場合よりもキズ跡が残りにくく、患部の治癒も比較的早いのが特徴です。
Qスイッチレーザー
当院で使用しているQスイッチアレキサンドライトレーザー(米国キャンデラ社製ALEXLAZRTM)は主に青アザやシミを治療する目的に開発された医療用レーザーです。
皮膚にレーザーが当たっている時間は1億分の5秒と極めて短いので表皮ダメージが少なく安全な治療です。
このレーザーは、メラニン色素に吸収されやすいという特性を生かし、皮膚の異常メラニンだけにレーザーが反応し、徐々に色を薄くしてことができます。
レーザートーニングに使用する機械で、皮膚を削り取るような強いパワーではなく、弱いパワーで治療部位を繰り返し照射することで、肌全体のトーンアップ、シミ・しわの改善が期待できます。メラニン定着が原因の茶クマにも効果があります。
GentleMax Pro(長期減毛・色素性疾患用レーザー装置)
『GentleMax Pro(ジェントルマックス プロ)』は2波長を1台に搭載した医療脱毛治療機器です。
波長755nmと1,064nmの2波長を1台に搭載しており、波長755nmのレーザー光は、メラニン色素に対して選択的に吸収されやすいという大きな特長を持っています。
メラニン色素を多く含む毛が光エネルギーを吸収し熱に変換されます。そのため毛の周囲の毛包・毛乳頭部に対して拡散することで毛の組織を破壊します。
波長1,064nmのレーザー光は波長が長く表皮メラニンへの吸収が少ないのが特長です。
皮膚へのダメージを最小限に抑えながら肌の深部までレーザー光を効率良く伝えることができるため、効果的な脱毛治療を行うことができます。
ダーモスコピー検査器
皮膚に強い光を照射し、病変表面の乱反射を軽減することで、肉眼では見えない皮膚内部の色素構造を観察する検査法をダーモスコピーといいます。ダーモスコピーで使用される基材(カメラ)をダーモスコープといいます。
ダーモスコピーで何がわかるかというと、ほくろの癌といわれるメラノーマか、普通のホクロかどうかを判断したり、どのような皮膚の種類の腫瘍なのかを診断することが可能です。
その他の設備
フットケア関連
電気メス
手術や外傷などの出血時の止血に使用したり、焼却術という処置にも使用します。
尿流量測定検査機器(ウロフロメトリー検査機器)
尿流量測定検査が必要な場合は、『尿流量測定検査機器(ウロフロメトリー検査機器)』を備えているお手洗いで検査を行っていただきます。
超音波画像診断装置
超音波で腹部の各臓器、甲状腺、血管などの精査を行います。