精索静脈瘤について
精索静脈瘤とは、精巣から心臓へ戻る血流が逆流してしまい、静脈が瘤(こぶ)のようになる病気です。
精巣(睾丸)は陰嚢という袋の中に入っています。ただ中に入っているだけではなく、身体と繋がっています。その繋がっている部分は陰嚢から上の方に向かって伸びており、これを精索といいます。精索は、精子の通り道や、血管、リンパ管、神経などが束になったものです。精索静脈瘤は80~90%の人で左側の精索に生じます。これは、左側の方が血流が流れにくかったり、逆流しやすいからです。
また、男性不妊症の原因になることもあり、男性不妊患者の25~30%にみられます。
精索静脈瘤の症状は、ほとんどが無症状ですが、静脈瘤のある側の陰嚢に痛みや不快感が生じることがあります。特に長時間立っている時や、お腹に力が入っている時に現れます。
診断は精巣と精索の触診や、超音波検査によって行います。
治療は、症状がなく生活に支障がない場合は放置していても問題はありません。症状があって、困っている場合や、男性不妊症があってこの病気が原因と考えられる場合は手術が適応となります。