小児皮膚科について
乳幼児や子供に多い皮膚トラブル。かかりつけの小児科の先生に相談することも多いと思います。多くの子供の皮膚トラブルは軽症のものが多く、小児科の先生でも治療が可能なものも多いです。
しかし、繰り返す皮膚炎や広い範囲に出ている皮膚炎は皮膚科医に相談しましょう。湿疹だと思って治療していたが、実は体部白癬やカンジダといういわゆるカビの一種が原因だったということがあります。この場合はステロイドを塗っても悪化する一方で、抗真菌薬というカビを殺す塗り薬を使う必要があります。診断には皮膚をとって顕微鏡でカビの有無を検査する必要がありますが、顕微鏡は皮膚科にしかないことがほとんどですので、小児科では診断がつけられません。
また、湿疹を繰り返す場合にはステロイドやステロイド以外の炎症を抑える塗り薬など、ほかの手段も組み合わせて治療する必要があります。最近の研究結果では湿疹は幼少時からしっかり予防と治療をしたほうが将来的にアトピー性皮膚炎に移行しにくいというデータも出てきていますので、たかが湿疹と思わずに、小さいうちからしっかりと治療して発疹が出ていない状態を保つことが重要です。
手足の「ウイルス性のイボ」もお子さんに非常に多い病気ですが、こちらは液体窒素を使って凍らせて治療します。こちらは小児科に設備がないことがほとんどですので、まめに皮膚科医を受診して治療する必要があります。放置すると広がることがほとんどですので、早めに皮膚科医を受診しましょう。
他にも「子供の皮膚のできもの」について、ホクロ、赤・青・茶色のあざ、盛り上がったできもの、皮膚の下の膨らみ、などいろいろなタイプのシミやできものがあります。たいていの場合は良性で治療の必要がないですが、適切な診断をつけ、治療の方針を立てた方が良い場合もあります。皮膚科には拡大鏡(ダーモスコピーと呼びます)もあります。多岐にわたる皮膚病の診断を知らなければ適切なアドバイスはできません。